こんにちは、いちごです。
今月から私たちの住むStuttgart /シュトゥットガルトで、
The Mystery of Banksy – A Genius Mind /バンクシー展
が始まりました!!
The Mystery of Banksy – A Genius Mind
Banksy /バンクシーとは、イギリスを拠点に活動する匿名のアーティスト。
世界中のストリートに神出鬼没に作品を制作、展示することで知られ、政治や社会問題に対する様々なメッセージを残しています。
この特別展では彼のこれまでの作品がオマージュと共に紹介され、絵画だけでなく映像や模型など体験型の展示も行われています。
5月4日から7月30日まで、Schlossplatz /宮殿広場前のショッピングモール・Königsbau Passagenの1階(日本の2階)で開催されています。
追記(2023年7月9日):
バンクシー展は期間が延長され、10月8日まで開催されています。
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バンクシー展/The Mystery of Banksy – A Genius Mind |
現代アートはあまり詳しくないのですが、バンクシーの作品は好きでいつもインスタで最新作をチェックしているいちご(°▽°)
今回のイベントもとても楽しみにしていて、早速、友達と一緒に行ってきました!!
まだこれから訪れる方もいらっしゃると思うので、今回は展示会の様子を少しだけご紹介したいと思います!
THE WALLED OFF HOTEL
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THE WALLED OFF HOTEL |
会場の入り口は、「THE WALLED OFF HOTEL」のエントランス。
これはバンクシーがプロデュースした、パレスチナのベツレヘムに実在するブティックホテルです。
イスラエルが「テロ防止」という目的で建設した分離壁の目の前にあり、「世界一眺めの悪いホテル」としても知られています。
一泊30ドルの部屋から965ドルのプレジデンシャルスイートまでの9つの部屋があるほか、ピアノ・バーや分離壁に関するミュージアム、パレスチナのアーティストの作品を展示するギャラリーなどがあります。
旅行カバンを持った(乗った?笑)チンパンジーのホテルマンが迎えてくれました(^O^)
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ホテルの部屋の絵画 |
最初の部屋は、そのホテルの様子を再現。
たくさんの監視カメラに囲まれたピアノや、イスラエルをテーマにしたバンクシーの絵画があります。
イスラエル兵とパレスチナ人が枕を投げ合う絵が印象的でした。
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Flower Thrower |
バンクシーの最も有名な絵の一つである「Flower Thrower」。
別名「Love is in the Air」、日本語で「愛は空中に」。
実際の絵はベツレヘムのガソリンスタンドの壁に描かれ、火炎瓶ではなく花束をイスラエル側に投げ込もうとするパレスチナの若者が描かれています。
イギリスのストリート
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イギリスのストリートアート |
お次は、バンクシーの活動するイギリスにまつわる作品たち。
地面に埋まる電話ボックス「Submerged Phone Booth」や、ロンドンの壁に描かれたRoyal Guard /近衛兵の絵などが再現されています。
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Monkey Queen |
イギリス王室にまつわる風刺画も多く展示されています。
「Monkey Queen」では、エリザベス女王の象徴的な肖像画を猿の顔に置き換え、背景をイギリス国旗の色のターゲットのマークにしています。
この絵はロンドンのクラブに飾られていましたが、君主制支持者の目に留まり、女王在位50周年のゴールデン・ジュビリー期間中は取り下げるように求められました。
「 英国社会における最高の地位は、才能や努力に報いるものではなく、生得権によって与えられるものである…」
とバンクシーは語っています。
社会風刺
そしてバンクシーの現代社会に対する批判を、展示会の様々なところで見ることができます。
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Love is in the Bin |
Love is in the Bin、「愛はゴミ箱の中に」。
この絵は2018年、ロンドンのオークションハウスで104万2000ポンドで落札された直後、額に仕掛けられていた自動シュレッターにより裁断されてしまいました。
芸術作品が売買されることを嫌うバンクシーが、オークションビジネスへの批判を表したと言われています。
実はいちご、この絵を見るのは2度目!
オリジナルの作品が落札後の2019年から約1年間、Staatsgalerie Stuttgart /シュトゥットガルト州立美術館で展示されており、その間に見に行っていました(^O^)
今思えばとてもラッキーな体験でした♪
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Morons |
オークションへの批判は他の作品にも。
こちらは「Morons」というオークション会場を描いた作品。
手前の額には、
「I Can't Believe You Morons Actually Buy This Shit.」 (こんな糞な作品を買う馬鹿な者たちがいるなんて信じられない。)
と書かれています…
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Show Me the Monet |
Show Me the Monet、「モネを見せて」というタイトルのこの作品。
モネの代表作「睡蓮の池」をオマージュしたもので、美しいはずの池の中にゴミが不法投棄されています。
2台のショッピングカートは消費主義の無慈悲な現代社会を批判しています。
見ていて悲しくなる作品です…
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Devolved Parliament |
政治風刺の作品も。
ここではDevolved Parliament、 「退化した議会」を映像で見ることができます。
イギリス議会の政治家たちをチンパンジーに置き換えた絵画ですが、
映像では明るい議場がゆっくりと色を落としていき、議論している人間たちの声がだんだんと猿の鳴き声に変わっていきます…
この絵は2009年に制作されたものですが、2019年のイギリスのEU離脱予定日に合わせて再び展示されていました。
バンクシーは
「今は笑え。だがいつか、誰も責任を取らなくなる」
と書いています。
映像を見ているうちに、この議場が日本の国会と重なってきて…
日本人も笑って見ていられないものだと感じました。
バンクシーの悪夢のテーマパーク、Dismaland /ディズマランド
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Dismaland /ディズマランド |
バンクシーがプロデュースしたテーマパークの紹介ブースもありました。
思いっきりディズニーのキャラクターが描かれていますが、ここは「Dismaland /ディズマランド 」。笑
2015年にイギリスで、5週間の期間限定で開園していました。
「dismal」の「不愉快」「陰鬱」という意味の通り、
廃墟のようなシンデレラ城に歪んだアリエルの像、ヨーロッパへ渡る難民たちの乗った小船、石油まみれのアヒルの人形…
キラキラしたおとぎの国とはほど遠い、現実のダークな世界が広がっています。
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Napalm |
ディズニーキャラクターたちは、バンクシーの作品にも登場しています。
Napalm /ナパームでは、ベトナム戦争で空爆から裸で逃げるこどもたちの写真「戦争の恐怖」から1人の少女を抜き取り、その手は笑顔のミッキーマウスとドナルド・マクドナルドに繋がれています。
2体のキャラクターはアメリカのグローバリゼーションの象徴として置かれ、
消費社会による児童労働や搾取など、資本主義社会に子どもたちが巻き込まれていることを表しています。
笑顔がリアルに怖い(°_°)
バンクシーの世界を体験
最後は、バンクシーのアートを体験できる展示をご紹介♪
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トイレのネズミ |
こちらはインスタグラムで話題となった、トイレのネズミ!
トイレットペーパーを転がしたり、歯磨き粉をチューブから出したりと、ネズミたちがいたずらしています。
2020年に「家で仕事をすると妻が嫌がる」と書き添えて投稿され、コロナ禍で在宅ワークを強いられている人々の状況をユーモアに表現しています。
可愛いけれど、こんなことをされたらめっちゃ困る!!笑
もちろん再現されたものですが、この作品は好きだったので見れて嬉しかったです(^O^)
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Underground |
会場に現れたのは、ロンドンの地下鉄の車両!
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電車に乗るいちご |
そしてこの電車、乗れるんです(°▽°)
公式の動画では、バンクシーらしき男が地下鉄に乗り、車両内にスプレーで落書きをしていきます。
くしゃみをするネズミや消毒ジェルを持ったネズミなど、ロックダウン中の様子をコミカルに描いています。
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バンクシーの制作現場 |
いかがでしたでしょうか?
バンクシーの活動をより深く知り、多くの人を魅了してきたその才能には驚くばかりでした。
そしてほとんどネットでしか見たことがなかった作品と実際に向き合うことで、社会に対する彼のメッセージが心に強く伝わってきました。
バンクシー展は7月30日まで毎日、
月曜〜土曜日と祝日は10時〜20時、
日曜日は10時〜18時で開館しています。
バンクシーを知る方にも知らない方にもおすすめです!
ぜひ足を運んで、彼の世界を覗いてみてください(^O^)
追記(2023年7月9日):
バンクシー展は期間が延長され、10月8日まで開催されています。
参考にしたページ
CNN.co.jp
BBC NEWS JAPAN
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