ドイツ世界遺産の日、100年前のル・コルビュジエの家へ〜ヴァイセンホーフ・ジードルングの住宅/Weissenhofmuseum〜
こんにちは、いちごです。
先週6月7日はドイツ世界遺産デー・UNESCO-Welterbetagでした!
ドイツの世界遺産への理解を深めるため、2005年から毎年6月第一日曜日に各地で特別イベントやガイドツアーなどが開かれています。
私たちはこの日、Stuttgart /シュトゥットガルトにある世界遺産
Weissenhofmuseum /ヴァイセンホーフ・ジードルングの住宅
に行ってきました!
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| 100年前の部屋を再現 |
ヴァイセンホーフ・ジードルングの住宅
2016年に「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」として、近代建築三大巨匠の一人でスイスの建築家、Le Corbusier/ル・コルビュジエの17点の建築が世界文化遺産に登録されました。
ヴァイセンホーフ・ジードルングの住宅はそのうちの一つで、現在はWeissenhofmuseum /ヴァイセンホーフ・ミュージアムになっています。
また東京の国立西洋美術館本館も同様にこの世界遺産に登録されています。
この建物はシュトゥットガルトで1927年に開催された住宅展「Die Wohnung (住宅)」のために、ル・コルビュジエとそのいとこで建築家のPierre Jeanneret/ピエール・ジャンヌレによって設計されたDoppelhaus(二世帯用住宅)。
ほぼ100年前に建てられた家です。
住宅展のテーマは、それまでのヨーロッパの典型的なレンガや木組みの家や、重厚感のある家具やインテリアに代わる、「現代的な大都市で生活する人々のための住宅」。
ル・コルビュジエを含むヨーロッパの17人の建築家たちが、シュトゥットガルト・ジードルング地区に競うように住宅を建て、50万人もの来場者を集めました。
「近代建築の五原則」
ヴァイセンホーフ・ジードルングの住宅で重要なポイントとなるのが、ル・コルビュジエが提唱した「近代建築の五原則」が反映された建築であるということ。
「近代建築の五原則」とは、
- ピロティ
- 自由な平面
- 自由な立面(ファサード)
- 水平横長の窓
- 屋上庭園
それまでは石やレンガ造りの窓の少ない三角屋根の家が主流でしたが、ル・コルビュジエのこの五つが基礎となり、現代の建築スタイルが生み出されていくこととなります。
Weissenhofmuseum /ヴァイセンホーフ博物館
ドイツ世界遺産デーにはミュージアムの入場が無料&ジードルング地区の建築作品の無料ガイドツアーが行われていましたヽ(´▽`)/
まずはミュージアムを見学です!
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| 入り口までの外階段 |
ミュージアムの入り口は、外の階段を上がったところにあります。
横幅が狭いため一人しか通ることができません。
手すりは壁側にしかなく、反対側には支えが何もないので落ちないように要注意です(°▽°)
こちらが住宅の正面玄関。
五原則の一つ、広々とした「ピロティ」があります。
ここでいう「ピロティ」とは、2階建て以上の建物の地上階部分が柱で支えられて吹き抜けの空間になっていることを指します。
現在では当たり前のように見られる建築スタイルですが、その始まりがここだったと思うと感動しました!!
そしてこの柱により、五原則の「自由な平面」が実現します。
それまで建物を支えていた壁をなくし、代わりに柱を使うことで、部屋の配置を自由に決めることができるようになりました。
ちなみにピロティ側の玄関は現在は使われていないので、裏の小さな入り口から入り、無料のチケットを受け取りました。
ミュージアムでは住宅展が開催された1927年当時の家具が復元されており、ル・コルビュジエによる「変形可能な家」のコンセプトをここで体験できます。
例えばこの部屋は、リビング兼寝室。
どういうことかというと・・
ベットが引き出しのようになっていて、日中は戸棚の下にしまい、部屋をリビングとして使うことができるのです!
でもこのベット、現代のものと比べれば硬くて寝にくそう…笑
鉄パイプのフレームは頭や足をぶつけたら痛いだろうし、冬は冷たく感じそうです。
個人的には家具は木製がいいですね(°▽°)
ちなみにこの収納棚はコンクリート製。頑丈です。
上部はシャッターのようになっていて、上にスライドして開きます。
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| スライド可能な壁 |
この収納ベットを裏から見ると、板が重なっています。
この板はなんと、横にスライドして壁を作ることができるのです!
ベットを収納してこの壁を全開にすれば広いリビングに、板で壁を作れば隣の部屋は子供部屋として使えたり。
昔、日本のリフォーム番組で、まさに同じようにスライドの壁で空間を有効に使うという技を見たのを思い出しました。
壁が一枚あるだけで部屋の役割も雰囲気もガラッと変わるなんて面白いです(^O^)
全ての部屋の端から端まで、この大きなスライド窓が横に連続しています。
自然の光で部屋が明るくなり、開放感があります。
リビング兼寝室の隣はすぐキッチン。
調理台はコンクリート製で、右側のガスコンロは1927年頃のモデルだそう。
その隣はコンパクトな浴室。
これらは1920年代のオリジナルのものだそう!
トイレは別の狭いスペースにありました。
リビング兼寝室、壁で仕切れる子供部屋、キッチン、トイレをつなぐ狭い廊下。
こちらも人一人の幅でとても狭いです。
この住宅は展覧会後に実際に人が住んでいましたが、家具はついていないので持ち込まなければならなかったそう。
引越しの時にどうやってこの狭い通路を通って大きな家具を運び入れたのか気になります(°▽°)
今の建築では見ない、ドア付きの階段。
鍵もついてるようです。
冬は階段にもドアがあるほうが部屋が温まりそうでいいですね〜
そしてこの階段を上がると…
五原則にある広い「屋上庭園」。
それから・・
シュトゥットガルトの眺め!
この景色が家から毎日見られるなんてとても贅沢。
テレビ塔やメルセデスベンツのミュージアムなどが見えました。
柱に支えられた小さな屋根も独創的。
このような屋上のデザインや先ほどの横長の窓により、外観である「自由な立面(ファザード)」を実現できるようになりました。
景色の反対側は高い壁があり、プライバシーが守られています。
植物もたくさん植えられていました。
侵入防止の鉄格子がないので代わりにこのような形にしたのかな?
このミュージアムでは、住宅展「Die Wohnung」の歴史についての展示もありますよ(^O^)
ジードルング地区の建築作品
ミュージアムを見学後はこの日のもう一つの目玉、ジードルング地区の建築作品を巡る無料のガイドツアーに参加しました。
住宅展「Die Wohnung」に出展された住宅は戦中、戦後に多くが破壊されてしまいましたが、今もこの地区にはいくつか建物が残っています。
ミュージアムの建物以外の住宅は現在も人が住んでいるため外からの見学となります。
ツアーでまわった建物の一部をご紹介します。
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| ル・コルビュジエの一戸建て住宅(世界遺産・2022年撮影) |
ミュージアムのDoppelhaus(二世帯用住宅)の裏に、同じくル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレの建てた一戸建て住宅があります。
こちらも世界遺産です。
近代建築の五原則のピロティ、横長の窓、屋上庭園を見ることができます。
(この日は工事中だったので写真は2022年のものです)
ドイツの建築家でル・コルビュジエと並ぶ近代建築の三大巨匠の一人、Ludwig Mies van der Rohe/ ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエによるMehrfamilienhaus /集合住宅。
横に長い建物ですが実は4つの玄関があり、中は4棟に区切られています。
日本の団地とはまた違う造りです。
40〜80平米の住宅が当時は24世帯、現在はリフォームされて28世帯あります。
5棟の住宅が連続して並ぶReihenhaus/連棟住宅は、Jacobus Johannes Pieter Oud/ ヤコーブス・ヨハネス・ピーター・アウト(J.J.P.アウト)の作品。
一軒の幅は狭いですが後ろに細長い形をしていて、一番奥に庭があります。
上部に細い窓がついた部分は、当初は地上階部分が洗濯室、(日本の)2階部分が乾燥室の役割を果たしていたそうです。
オランダのアムステルダムで見た建物につくりが似ているなと思ったら、彼はオランダの建築家でした!
これらの建物は現在シュトゥットガルト市が所有しており、賃貸物件となっています。
家賃は非公開ですが、高台の高級住宅街の中にあるため相当高いのではないかとガイドさんが言っていました(^^;;
いかがでしたでしょうか?
これらは全て1927年に建てられたほぼ100年前の家です。
現代の私たちが見ても違和感がなく、むしろモダンでかっこいいと思うデザインだったり。
でも当時の部屋(ミュージアム)を覗くと、窮屈だったり、古臭さを感じたり。
そのギャップがまた面白かったです。
これから100年後はどのような住宅が主流となっているのか、ル・コルビュジエの五原則に継ぐ新たな建築の要素が生まれているのか、想像するだけでワクワクします(^O^)
建築やデザインに興味のある方におすすめですよ♪
*Weissenhofmuseum /ヴァイセンホーフ博物館*
所在地:Rathenaustraße 1, 70191 Stuttgart
開館時間:
火曜〜金曜日 11時-18時
土曜、日曜日、祝日 10時-18時
ガイドツアーあり
休館日:
月曜日、ただし祝日の場合は開館
12月24日、1月1日、毎月第4週目
入場料:
大人 6.5€
割引(生徒、学生、職業訓練者、生活保護受給者、障がい者) 3€
15人以上のグループ割引 一人 6€
11歳までのこども、Kunstakademie Stuttgartの学生 無料
関連書籍:
Misa Hayasi
Francine Bouchet, Michel Cohen
(Amazonより)
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