ドイツの反極右デモに参加〜シュトゥットガルト/Stuttgart gegen Rechts〜
こんにちは、いちごです。
前の投稿から少し間が空いてしまいましたが、いちごもぽめすも元気にしています。
2月末からは日本からぽめすくんのお父さまがいらしたり、3月はいちごがロンドンへ出かけたりと、イベントが続き楽しくバタバタしていました(°▽°)
この期間に起こったことも振り返りながら、今後も記事を書いていきたいと思います♪
さて今回は政治のお話。
先日Stuttgart /シュトゥットガルトで開催された
反極右デモ/Stuttgart gegen Rechts
へ行ってきました!
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Stuttgart gegen Rechts |
欧州の右傾化と「移民追放計画」
近年ヨーロッパで広がっている右傾化の波。
イタリア、フィンランド、スペイン、フランスで右派政党が票を伸ばしているほか、昨年11月にはオランダの下院総選挙で極右政党・自由党(PVV)が第1党に躍進しました。
ドイツでは、極右政党AfD「ドイツのための選択肢」が急速に支持を広げています。
昨年6月には、旧東ドイツのチューリンゲン州ゾンネベルク郡でAfD党から初の首長が選出、
その後も7月にザクセン・アンハルト州では町長に、12月にはザクセン州で市長にAfD党の候補が選出されました。
そして最近大きな話題となったのが、AfD党のメンバーが右翼活動家らと「移民追放計画」を協議したというニュース。
移民や難民のほか、市民権があっても肌の色が異なるなどの「同化していない国民」を追放する計画を発表し、最大200万人の追放者を北アフリカに住まわせる案も話し合われたそう。
この案は、1940年にナチス・ドイツがユダヤ人をマダガスカル島に強制移住させようとした計画を想起させ、市民からも政界からも批判が相次いでいます。
Stuttgart gegen Rechts
この「移民追放計画」の報道を受け、ドイツ各地では大規模な抗議デモが行われており、各都市で数千人からベルリンでは10万人の市民が参加しました。
今回はその様子を書いていきたいと思います。
反極右デモ、集会の様子
私が訪れたのは、2月24日のデモ。
シュトゥットガルトのMarktplatz /マルクト広場で14時半からのスタートでした。
私は遅れて14時半頃に会場近くの駅に到着し、Schlossplatz /宮殿広場から歩いていきました。
この日は土曜日でしたが、メインストリートのKönigstraße/ケーニヒ通りはいつもに比べて人が異常に少なかったのを覚えています。
宮殿広場のNeues Schloss /新宮殿前には何台もの警察・警備車両が待機しており、ちょうど一台ずつ続いて出動しているところでした。
手製のプラカードを掲げている人も。
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プラカードを掲げる人 |
AfD のロゴにヒトラーの顔のようなものが付け足され、
「Wo AfD drauf steht sind nazis drin! 」
(AfD と書かれているところにはナチスがいる!)
と書かれています。
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マルクト広場に向かう人々 |
ここにいた人々全員がマルクト広場方面に向かって歩いており、異様な光景でした。
シュトゥットガルト市庁舎が見えたところで、もうこの人だかり!
通りの端から端まで人がいっぱいです。
クリスマスマーケットでもワイン祭りでも、この通りにこんなに人が集まっているのは見たことがありません。
この市庁舎前がマルクト広場になっていますが、容易に進める状況ではありませんでした。
写真の右の建物は大きなキッチン用品店ですが、入口にたどり着くのも難しそう。お店の上の階の窓からは、デモを見つめるお客さんの姿が見えました。
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マルクト広場 |
少しずつ進んで、マルクト広場へ。
広い広場が人で埋め尽くされ、幾つものカラフルな旗が風に揺れていました。
どこかで演説しているようですが、いちごの身長ではその場所を見つけられず(^^;
老若男女、団体も個人もさまざまな人たちが集まり、プラカードを掲げて演説を聞いていました。
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通りの反対側へ |
演説を聞きながら通りを直進し、広場の反対側の入口まで来ました。
こちら側はこども連れの家族が多く、木に登ってデモを見る子も。
手前には救急隊?の方が待機していました。
結局この時は、どこで演説が行われているかがわかりませんでした。そのくらいたくさんの人。
参加者は移民系の人も多いのかなと勝手に思っていましたが、ドイツ人、ヨーロッパ人が大半でした。
子どもや若者も参加のデモ行進
広場を通るのは大変なので、裏側の道からまわってデモの様子を見ることに。
高級デパートBreuninger の前には、ベビーカーを押す親御さんたちが参加していました。
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ベビーカーを押す親御さん |
ベビーカーには、
「NO ONE is born RACIST!!!」
(生まれつきのレイシスト(人種差別主義者)なんていない!!!)
と書かれたカードが付いていました。
こんなふうに、ドイツのデモではこどもや若い人たちをたくさん見ます。
こどもたちは、親に無理やり連れてこられた、という感じはなく、手作りのプラカードを持ってしっかり立っていました。
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プラカードを持つ子どもたち |
「Lieber Hausis als AfD」(AfDより学校の宿題のほうがよっぽど好き)
「Lillifee statt AfD」(AfDの代わりにLillifee (絵本に出てくる花の妖精)を)
など、プラカードの言葉も可愛らしいです(^O^)
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デモ行進する若者たち |
15時半からはデモ行進がスタート。
「Alle zusammen gegen des Rassismus」(みんなで一緒に人種差別に反対)
「Internationale Solidarität」(国際的な連帯を!)
などと、声を揃えながら歩いていきます。
その熱気からも、参加者たちの社会の右傾化に対する危機感がうかがえます。
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ナチスのためのクッキーはない! |
こんな可愛いイラストも発見(^ ^)
「Keine KEKSE Für NAZIS」(ナチスのためのクッキーはない!)
高校生か大学生くらいの女の子たちでした。
最後に男の子たちが笑顔で見せてくれたのは、
「NAZIS nerven mehr als WESPEN」
(ナチスはハチよりも迷惑だ)
小学生くらいの男の子たちでしたが、
自分が小学生の時にデモに参加するなんて考えたこともなかったし、
この歳で政治や社会問題に対してこんなにユーモアな表現で訴えることができるのがすごい!
それに比べて私は、大学で政治を学び始めてからも日本でデモに参加したことは一度もなく、
政党でインターンシップをしていた際も、国会前でデモを何度も見かけましたが、やはりどこか他人事に感じて素通りすることしかできませんでした…
当時は憲法改正反対のデモがよく行われており、「デモ行動は政治に影響を与えるのか」というテーマをゼミで議論したこともよく覚えています。
その時は、特に日本においては政治に影響を与えることができないという意見が大多数でした。
ドイツの人たちにとって、ナチスの歴史や差別の問題が身近なことなのだと思いますが、それでも行動を起こすこと自体が素晴らしいことだと私は思います。
そして市民たちが、デモ行動が意味のあるものと考えていることがよく伝わってきました。
主催団体のStuttgart gegen Rechtsの発表では、この日のデモの参加者は1万5千人以上。
極右政党や右翼活動家に対する一連のデモが政治にどのような影響を与えていくのか、この先の選挙を注視していきたいです!
ドイツの他のデモの様子
・原発反対デモ
・LGBTQパレード
今回参考にしたページ
NHK・解説委員室
産経新聞
ドイツニュースダイジェスト・独断時評

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