キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜

こんにちは、いちごです。

前回の記事で、今年7月にドイツのノイシュヴァンシュタイン城を含む4つの宮城群が世界遺産に登録されたことを書きました。

前回の記事



実はいちごとぽめすも昨年の秋、日本から来てくださったぽめすくんのお母さまとそのお友達さんたちと一緒に、ノイシュヴァンシュタイン城のあるアルプス地方へ一泊二日の旅行に行ってきましたヽ(´▽`)/
ということで今回からは、お城の世界遺産登録を記念して、バイエルン・アルプス小旅行の思い出を書いてきたいと思います♪

最初に訪れたのは、世界遺産の

ヴィースの巡礼教会

です!

ヴィースの巡礼教会/Wieskirche

Wieskirche /ヴィースの巡礼教会は、バイエルン州のSteingaden /シュタインガーデンという町にあります。
Stuttgart /シュトゥットガルトから車で3時間弱、森と草原の間を走り抜け、広い駐車場に到着。

私は初めての訪問でしたが、ぽめすくんとお母さまは2回目!
みんなで2人について歩き、すぐに教会が見えてきました。

キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
ヴィースの巡礼教会

原っぱの小高いところに立つ教会。
白っぽい壁にこげ茶色の屋根。質素な佇まいに、世界遺産と知らなければ通り過ぎてしまいそうです。





キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
淡いピンクの外壁

近くで見ると、意外と大きい!
白に見えた外壁は実際は淡いピンク色で、可愛らしい感じです♡





キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
木の扉

入場料はかかりませんが、入り口に寄付の箱があるので気持ちの金額だけでも入れておくといいと思います(^ ^)

そして、この木の扉を開けると・・




キリストの涙の奇跡

キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
!!

おお!!




キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
ヴィース教会本堂

本堂に一歩足を踏み入れると、そこにはキリストの洗練された世界が広がります。
白い柱に金で施された優雅な装飾に、誰もが心を奪われてしまいます…






キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
内陣

ヴィース教会の設立の起源は、1730年まで遡ります。
シュタインガーデンの修道院で、Magnus Straub /マグヌス・シュトラウプ神父とLukas Schweiger /ルカス・シュバイガー修道士は、聖金曜日の聖体行列のために「鞭打たれるキリスト」の木像を作ります。

しかし、鎖に繋がれて傷だらけのこのキリスト像に信者たちが心を痛めたためまもなく用いられなくなり、修道院の屋根裏にしまわれてしまいました。





キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
「鞭打たれるキリスト」の木像

1738年3月4日、農婦のMaria Lory /マリア・ロリーが洗礼の立会人として修道院を訪れた際にこのキリスト像を譲り受け、熱心に祈りを捧げました。
そして同年6月14日の夕拝中、突然キリスト像の目から涙のような雫が現れたのです…!

この「涙の奇跡」の伝説は信者たちの間に瞬く間に広まり、巡礼者たちがマリアのもとを訪れるようになりました。




キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
1754年完成

1740年には農場に小礼拝堂が建てられたものの巡礼者が増え続けたため、ヴィース教会が建設されることになりました。
バイエルン・ロココ芸術の最大の工匠であるDominikus Zimmermann /ドミニクス・ツィンマーマンとその兄で宮廷画家の Johann Baptist Zimmermann /ヨハン・バプティスト・ツィンマーマンにより、1754年に完成します。





キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
「Dominikus Zimmermann」の文字

そして1983年、ヴィース教会は人類の創造力の傑作であり、文化と伝統の証であるとして、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。

入り口の真上には、建築師「Dominikus Zimmermann」の名前が付けられています。





奇跡を祝福する教会

教会内部は細部まで華やかに彩られ、まるでキリストの奇跡を祝っているよう。
その内容を少しお見せします♪

キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
大天井画

まず目を引くのは、ヨハン・バプティスト・ツィンマーマンによるフレスコの大天井画。
中央には復活したキリストが虹の王座に座り、天使や使徒たちに囲まれています。

(写真はクリックで拡大します)





キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
内陣の天井画と柱

内陣の天井画では天使たちがS字の曲線に上昇し、キリストを苦しめた道具を神に捧げようとしています。十字架や槍、鞭などが描かれています。
天井画の奥、祭壇の真上に見えるのはキリスト自身を表す子羊の像。

そして特にいちごが好きな部分は、波のような動きのある柱の色合い。
手前側の青色の柱は天から流れ下りる神の恵と愛を、中央の祭壇側の赤色は天にのぼるキリストの犠牲の血を表しています。






キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
パイプオルガン

2階には、こちらも金色に飾られたパイプオルガンが見えます。
オルガンの製作年代は1757年とされ、1929年に改修が行われました。

天井画の天国への門へ続くように、美しい絵画と装飾が隙間なくあしらわれています。






キリストの涙の奇跡が生んだ世界遺産の教会へ〜ヴィースの巡礼教会〜
教会前の牧草地

教会を出ると、目の前には牧草地が広がり遠くに動物がみえました。(駐車場と反対側の景色)
ここで深呼吸をすると、何かが浄化されたようなスッキリとした気持ちに。

その優雅さの中にも、人々を包み込むような温かさをもつ不思議な教会。
最初にキリスト像を譲り受けた農婦マリアの優しさに触れたような気さえします。



車がないとアクセスが難しい場所ですが、南バイエルンへ来たら是非おすすめしたい場所です!
さて次回は、ノイシュヴァンシュタイン城に近いお宿でのどかな風景に出会います♪



*Wieskirche /ヴィースの巡礼教会*

所在地:Wies 12, 86989 Steingaden

開館時間:
3、4月 8時-19時
5〜8月 8時-20時
9、10月 8時-19時
11〜2月 8時-17時

※礼拝やコンサートが開かれる際はご参加いただくことはできますが、教会内を歩き回るなどの自由な見学はできません。
イベントの日時はホームページからご確認ください。

入場料:無料


関連書籍:
Hans Pörnbacher
Dörte Wetzler

(Amazonより)


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