こんにちは、いちごです。
今年もとうとう残り1ヶ月…!
11月もなかなかブログを書く時間が取れず、また投稿の期間が空いてしまいましたが(T_T)、
いちごとぽめすは元気にしております!
ご安心ください。笑
さて今日もスペイン旅行編の続きを書いていきますよヽ(´▽`)/
前回の記事では私たちが滞在した街、Sitges/ シッチェスのPalau de Maricel /マリセル宮殿をご紹介しました!
スペイン・Sitges /シッチェス 街歩き編
スペイン・Barcelona /バルセロナ 誕生日編
スペイン・Sitges /シッチェス ミュージアム編
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今回は、シッチェスのミュージアム巡り第2弾、
Museu del Cau Ferrat /カウ・フェラット美術館
を見学します!
Museu del Cau Ferrat /カウ・フェラット美術館
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Museu del Cau Ferrat /カウ・フェラット美術館(左) |
マリセル宮殿の次に訪れたのは、
初日に散策した旧市街のCarrer Fonollar /Fonollar通りにあるMuseu del Cau Ferrat /カウ・フェラット美術館。
マリセル宮殿の向かい側に位置しています。
この建物はもともと、バルセロナ出身の画家、劇作家、コレクターであるSantiago Rusiñol /サンティアゴ・ルシニョールの住まい兼アトリエでした。
1891年に数ヶ月間シッチェスに滞在したルシニョールは街を気に入り、
1893年、この場所にあった釣り小屋を購入し、建築家である友人のFrancesc Rogentに設計を依頼します。
翌年には隣の建物も購入し再びRogentに設計を依頼して、この住まい兼アトリエを完成させました。
そしてバルセロナにあった彼のアトリエからアートコレクションを運び出し、この家に展示していきます。
彼の死後は遺言にそって建物とコレクションをシッチェス市が受け継ぎ、1933年から市立美術館として一般公開されています。
カウ・フェラット美術館は隣にあるMuseu de Maricel /マリセル美術館(次回の記事で執筆予定)と繋がっていて、入場チケットも同じです。
今回は、カウ・フェラット美術館の中をご紹介します♪
エントランスホール
最初の展示室は、ルシニョールの住まいの小さなエントランスホールです。
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エントランスホール |
一歩足を踏み入れると、そこは19世紀のアンティークなお部屋。
壁のタイルや階段の古めかしさが、一気にタイムスリップしたような気持ちにさせます。
壁には絵画や陶器の皿が展示されていました。
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絵画の壁 |
壁の下部は美しい模様のタイルで埋め尽くされ、上部は大小の絵画が隙間なく並んでいます。
3枚の大きな絵画は全てルシニョールの作品。
一番左は「Pawnbroker’s」(1889年)。
ルシニョールがパリで最初に描いた作品の一つで、都心の暗い中庭を喪服の女性の姿とともに表現しています。
中央は「Abandoned Palace」(1898年)
友人たちとスペイン南部アンダルシアのグラナダへ旅行した際、ルシニョールは約40点の作品を制作します。
その中で彼が売るのをためらった作品が5つあり、これはそのうちの1つの絵画。
グラナダ近郊の小さな村、Víznarの廃墟となった宮殿を描いています。
右の作品は「The Girl with the Carnation (Teresa Mirabent Planas)」(1893年)
写真では光ってしまいましたが、カーネーションの花の香りを楽しむ少女が描かれています。
シッチェスの明るい中庭が少女の美しさを際立たせています。
中央に置かれた家具は、16世紀末から17世紀初頭に作られた収納机。
アンティーク家具もこの美術館の見どころです。
ダイニングルーム
隣の部屋は大きなダイニングルーム。
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ダイニングルーム |
壁にたくさんのお皿が綺麗に飾られ、まさにアートコレクターの住まい!
深海の宮殿にご招待されたよう。
陶磁器はルシニョールが生涯を通して集めたもので、そのほとんどがカタルーニャ地方で作られたものです。
デザインや大きさはそれぞれ違うのに、バラバラした印象はありません。個性的でおしゃれな空間です。
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暖炉 |
そして驚くのがこの暖炉。
彫刻が素敵な縁の部分、もともとはシッチェス城の窓枠だったそう!!
確かによく見ると、暖炉全体がお城の外壁のように見えます。
古城の一部がこんなふうに再利用されていたなんてびっくりです(°▽°)
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ダイニングキッチン |
暖炉の反対側はキッチンになっています。
昔の質素な住宅はダイニングキッチンが一般的だったそう。
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台所 |
台所には、可愛い陶器の置物や珍しい形のポットが並んでいます。
壁のタイルにはキリストにまつわる宗教画が描かれていました。
ファウンテンルーム
ダイニングルームから大きなアーチで繋がれたこの部屋は、ファウンテンルーム。
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ファウンテンルーム |
中央に立つのは洗礼盤。
もともとシッチェスのEl Vinyetという修道院の庭にあったもので、洗礼盤がここに移動する前に、ルシニョールはその庭でこの洗礼盤を絵に描いていました。
その絵画もこの美術館に展示されています。
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陶磁器コレクション |
この部屋には彼の陶磁器コレクションが展示されているほかに、考古学的コレクションや娘のMaria Rusiñol /マリア・ルシニョールの水彩スケッチが展示されています。
写真左の大きな絵はルシニョールの作品で、
「Maundy Thursday in Pollensa (Mallorca)」(1902年)
スペインのマヨルカ島、ポレンサの街並みを描いています。
お皿のデザインも一つ一つ細かく描かれていてとても面白い。
タイルアートもまた特徴的で、その不思議なイラストに時間を忘れて見入ってしまいました…!
作業部屋
キッチン右側の扉の奥には作業部屋。
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作業部屋 |
縦長の形の小さな部屋で、薄紫色の壁の落ち着いた雰囲気。
お皿のコレクションは少なく、タイルアートも控えめです。
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絵画 |
壁一面にさまざまな画家たちの絵画が飾られています。
写真中央は、ルシニョールの肖像の木炭画。
友人であった画家のRamon Casas /ラモン・カザスから贈られたものです。
ちなみにカザスは、前回の記事でご紹介した
マリセル宮殿を建てさせたアメリカ出身のCharles Deeringのお気に入りの画家だったそうです。
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ピカソの作品 |
そしてこの部屋で見逃せないのが、ピカソの作品。
5点の絵画を見つけました!
ルシニョールはピカソとも親交があったそうです。
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闘牛 |
ピカソの絵って、ちょっと不気味で怖いイメージがありましたが、こんなクールな作品もあるんですね!笑
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東海道五拾三次 嶋田 大井川駿岸(歌川広重) |
また日本の木版画も発見!
歌川広重、二代目 勝川春好(春扇)、葛飾北斎の3点の作品を見つけました(^O^)
版画とはいえ、こんなところで会えるとは!感動です!!
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有田焼 |
この部屋にはもう一つ日本のものが。
部屋の扉の真上に、大きな有田焼のお皿が一枚だけ飾ってありました!
他のお皿と並んでいない感じが特別感があっていいですね(°▽°)笑
作品とは関係ないですが、後ろの木の壁に鳥の絵が描いてあるのが可愛い♡
スズメかな?
ベットルーム
一階の最後の部屋はベットルームです。
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ベットルーム |
ここは白い壁の部屋。
ベットフレームが独特で、夜中トイレに起きたら足をぶつけそうな危険なツノが生えています。笑
壁には金色のフレームが貼られていて、小さなベットも立派に見えるのが面白い!
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アンティーク家具 |
寝室にはアンティークの置物や家具が多くありました。
写真左奥にはおしゃれな洗面台。
右側のタンスには、左右の淵にツタンカーメンのような顔がはめ込まれていました。ちょっと怖い…
洗面台の周りと壁の上部にイラストが描かれているのも素敵。
階段
エントランスホールへ戻り、最初に見た階段を上がっていきます。
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階段 |
タイルの模様が映える。
2階はどんな部屋があるかなとドキドキ!
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アート…!! |
階段からもアートだらけ。
天井の模様まで面白い。
階段の先には、大きなライオンが出迎えてくれています!
そして、2階は…
グレートホール
大きなホール!!
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グレートホール |
一階は小部屋ばかりだったのに、2階は一気にお屋敷のような場所に!
天井が高く、小さな体育館のような造り。
そのコレクションの多さにただただ圧倒されてしまいました。
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「Forjador català/カタルーニャの鍛冶屋」の彫刻 |
中央のガラスケース(写真手前左)には、カタルーニャ出身の画家、文筆家、詩人のAlexandre de Riquer /アレクサンドレ・デ・リケールから譲り受けたガラス細工のコレクション。
その横には、ルシニョールの親友で彫刻家のEnric Clarasóの作品、「Forjador català/カタルーニャの鍛冶屋」の彫刻。
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鉄細工コレクション |
そしてこのホールの一番の見どころは、鉄細工コレクション。
この美術館の鉄細工は世界でも有名なんだそう!
横からも上からも吊り下げられて、数もすごい。状態も良く、技術も素晴らしいものばかり!
これを1人で集めたなんて信じられません。
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階段の柵 |
上ってきた階段の柵にも。
かっこいいけど危険そうな彫刻が並んでいます。
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ベット |
18世紀のベットのフレームは錬鉄製。
本物の植物のように細く柔らかいカーブを持ち、鍛冶職人の技術の高さが窺えます。
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ステンドグラス |
窓には綺麗なステンドグラス。
部屋の隅々までアーティストのこだわりを感じます。
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The Morphine Addict /モルヒネ中毒者(1894) |
このホールにも、ルシニョールの絵画が展示されています。
写真は
「The Morphine Addict /モルヒネ中毒者」(1894)
中毒者として描かれている女性は、ルシニョールがパリのアパートに住んでいたときに好んでいたモデル。
この時期に描いた十数点の絵画に彼女が登場しており、この美術館でもその絵を見ることができます。
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大名行列 |
そしてここにも日本に関するものが!
「大名行列」というタイトルで、18−19世紀の作品。
かなり大きなサイズ、作者は不明です。
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誰が作った? |
でもよく見ると、ただの絵じゃない!
人々は厚紙を貼り付けたように浮き出ているし、大きな籠の側面は本物の布を切り貼りしたよう。
…なんだろうこれ、誰が作った?笑
こういう作りの作品を、日本では見たことありませんでしたが…
不思議な作品です(・∀・)
アートコレクターの本気を見た、カウ・フェラット美術館。
小さいけれど、キラキラしたものがいっぱい詰まった宝石箱のような場所でした。
アート好きにはたまらない!
またあまり馴染みのないカタルーニャ芸術について多く、深く学ぶことができました。
そしてアートに興味がない方にも、きっと感動があるところだと思います(^ ^)
さて次回は、最後のミュージアム、Museu de Maricel /マリセル美術館へ行ってきます!
続きはこちら
*Memo*
Address : Carrer de Fonollar, s/n 08870 Sitges (Garraf)
Opening hours :
月曜定休
・11月〜2月
火曜〜日曜 10−17時
Fees :
大人 10€
25歳以下の学生、シニアなど 5€
16歳以下の子ども 無料
(チケットは全てMuseu de Maricel /マリセル美術館とセット)
その他のミュージアムとのコンビチケットあり(詳細は
HPより)
毎月第一水曜日は無料(祝日等は除く)
others :
ガイドツアーあり(ただしスペイン語とカタルーニャ語のみ)
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今回参考にしたページ
・Museu del Cau Ferrat
Visitmuseum
読んでいただきありがとうございました!
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